大阪発!異業種(学習塾)からの挑戦 ~日本語学校の常識をぶち破る! ストロングスタイルの学校運営とは?~

4月19日(水)Linc主催ウェビナー

 

大阪発!異業種(学習塾)からの挑戦

~日本語学校の常識をぶち破る!

ストロングスタイルの学校運営とは?~

 

を開催し、日本語学校の先生方より合計35名にご参加頂きました。
(ZOOMにて24名、Lincのオフィスにて11名)

今回は、ファースト・スタディ日本語学校副校長 木村卓太郎 氏をお招きし、発表いただきました。

 

1.元々する気はなかった日本語学校

 会社自体のスタートは2001年です。長らく日本人向けの学習塾を経営していました。日本語学校のきっかけは当時、尖閣の問題で中国でデモが起きたことです。学習塾の塾生の親御さんがベトナムで貿易をされてて当時、中国から東南へたくさんホーチミンに日系企業が増えておりました。駐在員が増えると、奥さんの子供も増えていき、周辺には学習塾の環境がなかったため、何名かの先生方が呼ばれることになりました。現地で日本人の子供たちに英語、数学、国語、理科、社会を教える教室の準備とともに、日本語教育の準備とともにスタートしました。初めは日本人の子供が30名ほど、日本語を勉強するクラスは300名ぐらい集まってしまい、その流れで国内の日本語学校もスタートしました。

当校は現地の日本語学校が先にスタートしているというのが特徴でもあります。そして2校目、さらに学生たちの就労先をしっかりとサポートできるように人材紹介会社を設立し、今に至ります。ここには入りきれませんでしたが、その後公益財団法人を作りました。

 

2.禁じ手?教育と学生サポート

 まずは分業制と専門制とありますが、日本語学校の運営における業務を分けて担当者を設けて業務にあたってもらうということです。一般的な日本語学校さんよりも細かくなってると思いますので、一つずつ上げていきますと「学生募集」「webや動画作成」「通訳翻訳」「留学申請書更新」「学生寮管理」「アルバイト管理」「就労サポート」「理系」「文系」「経理」「国内日本語教師」「海外日本語教師」一人一項目の業務を担当しています。

そして来年は「進路指導」専門も作る予定です。一部兼任している者もおりますが、分業することによって責任感や専門制を追求できると、いい学生サポートにつながるということが狙いです。例えば入国後は空港から、初めは深夜バイトなどです。しかし、人件費の問題もあります。これまで申し上げた担当者は全員、正社員のため財務的な負担と、一方手厚いサポート=学生のためになってる訳ではないという意見もありますし、このサポート体制に慣れた学生が進学後、苦労したという話を聞いたりすると、まだまだ改善していく必要があると思っています。今まで人に投資を続けて来ましたが、設備や施設に投資していくという選択肢も視野に入れています。

現在、30名の正社員の日本語教師がいます。理由は、まずアルバイトには大切な留学生の将来を任せられないと思ったからです。学習塾の講師と比べることが多いですが、日本語教師って「日本語を教えることが仕事だと思ってる」教師が多いこと。学習塾の講師っていうのは英数国を教えることが目的ではありません。京大東大に何人合格させるか?が目的だと思っています。進学実績を作ることが目的です。実績を作らないと目的は達成されません。一方で、日本語教師は教えている学生がN1をとらなくても、上司から怒られることはありません。しかし、学習塾の講師は学生が寝ていたらちゃんと授業を聞かせるように対策をし、親子を巻き込んで受験戦争を戦います。

初めて日本語教師の面接をしたときいい意味ではないギャップを感じてしまいました。日本語教師の現状を知ったので、初めは日本語指導経験のある教師にお願いしていました。しかしそれも上手くはいかず、学習塾が少子化で塾生の数が減ってきていた時期がありました。そこで、学習塾の先生に日本語教師になってもらおうと考えました。まず、日本語教師養成講座のライセンスを取り、社内で塾の講師に日本語教師のライセンスを取得させ、現場に入ってもらいました。その後、日本語学校の雰囲気も変わって実績も出てくるようになってきました。

新卒採用を始めた5年前には、まさに「大阪の国際化」という我々の理念に賛同してくれた若者が集まり、日本語教師のライセンスがなくても入社後養成講座を受け研修した後、現場に入ってもらうという形でした。基本的に、3年から5年は日本語教師をしてもらいますが、その後は学生募集や就労サポートなどのボディションを選択できますし、公益財団法人もありますのでそちらの業務に移ってもらうこともできます。現在日本語教師の平均年齢は20代です。今は決して我々は日本語を教えることが目的ではないとしっかり理解してくれているすごく若い教師たちが中心になってくれています。

3.奨学金制度の輪を広げたい

 新聞奨学生を積極的に受け入れております。現状弊校では、コロナで少し数は落としましたが今年4月の時点で100名弱の新聞奨学生が在籍しております。

新聞各社と契約しており今後、どんどん拡大していきたいと思っております。

日本への留学はどんだけ優秀でどれだけ向上心があったとしてもお金がない、経費支弁者がたてられない、という理由で諦めてた学生を過去何名も見てきました。この奨学金制度は何よりも学生に学費の負担がなく、スポンサーもいらない、お金がなくても本当にスキルやモチベーションが高く、伸びしろがある学生を受け入れることができること、最高の利点だと考えております。一般的に新聞の奨学生は、ほどんどがN5あるかないかで来日する傾向があります。新聞屋さんも、仕事を教えるのが大変だったようです。偶然、弊校にオファーがあり、N3まで教育し、来日をさせました。日本語力をある程度の状態まで伸ばしたおかけで、新聞の販売代理店さんからは感謝されました。

弊校は現地球育ができるというところが大きいと思っています。現在は理系大学と提携してインドネシア、ベトナムはもちろん、モンゴル、そしてネパールでは、建築土木専門の大学とも提携、新聞奨学生として受け入れて卒業後就職させるスキームをすでに始めております。

今後についてご提案があります。ある日本語学校で新聞奨学生のオファーが来た場合、弊校で教育した学生を受け入れてもらえませんか?ということです。住居は新聞屋さんが用意し、アルバイトはもちろん、新聞屋さんと決まっています。就職先も弊校がサポートします。あとはしっかり日本語を教えていただけたら十分です。今まで弊校は横の繋がりをほとんど持つことなくやってきましたが、ここでひとつ他校様とも繋がりを頂いて共に成長できるような、進化できるようなそんな関係を構築していきたいと思っております。

 

4.業界の行く末

 先日、岸田首相が留学生40万人計画を発表しました。安倍前首相のときも30万人計画で一気に留学生が増えましたので、これからいい見通しができるかなと思っております。30万人計画のとき、30万人達成した瞬間に入管が厳しくなってしまった記憶があります。そしてコロナショックが起きました。これから10年は良くなっていくと思います。しかし、15から20年後、この日本語学校業界?日本語教育?語学業界すら無くなっているかもしれません。確実にAIやChatGPTなどの発達で翻訳通訳業務も無くなり、仮にもし、日本が経済破綻したら途上国の若者は日本留学に魅力も無くなると思います。なかなか給料水準も上がらず、大災害がまた起こるリスクもあると考えると、日本語学校の寿命は15〜20年だと考えています。ですので、その時どう立ち回るか?について考えています。

今後は、日本国内だけではなく将来的には海外への就労サポートにも取り組んでいく予定です。日本語学校が生き残っていくためには、業界全体が危機感を持ってやっていくべきですし、今後はみなさんと連携しながら決して目先の利益にとらわれずしっかり先を見据えて学校運営をしていきたいと思っております。

■本件についてのお問い合わせ

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 ■株式会社Lincについて

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。