最新の未入国学生の引き止め方法とは? 〜オンライン授業はもう当たり前!新たな打ち手はどこにあるか〜 ウェビナーレポート

7月28日(水)Linc主催ウェビナー【最新の未入国学生の引き止め方法とは?〜オンライン授業はもう当たり前!新たな打ち手はどこにあるか〜】を開催しました。

今回は、オフラインでは日頃お付き合いのある日本語学校及び大学の先生方9名をLincのオフィスに招待し、オンラインでは51名、合計60名の方にご参加いただきました。

2021年1月〜現在、入国制限により、新しい学生が入って来られない状況が長く続いています。

更に、いつ入国制限が解除されるか見通しが立たない中で、Lincと日頃お付き合いのある学校の中でも、学生のキャンセルも増えてきていますので、キャンセルをこれ以上増やさないため、また学生の留学に対するモチベーションを下げないため、各学校ではオンライン授業を導入しているかと思います。

そこで生まれる疑問点として、

・オンライン授業の工夫しているポイントは?
・オンライン授業以外での取り組みはあるのか?

この疑問点に対して、2つの学校の先生方に登壇していただき、各学校での取り組みについてご紹介いただきました。

①与野学院日本語学校 谷校長先生
②東京中央日本語学院 中澤執行役員、馮先生


■①
与野学院日本語学校 谷校長先生 「当校のキャンセル防止策」

与野学院日本語学校では未入国学生に対するキャンセル防止策として、オンデマンド講座を提供しています。(上記画像参照)
オンデマンド講座を取り入れた理由として、下記の理由が挙げられました。

  • 対象学生へのアンケートの結果、有料双方向オンライン授業を選択してくれる学生が少なかった。
  • 学生それぞれの時差が大きく、同時双方向オンライン授業が難しかった。
  • 少人数のオンライン双方向授業実施の場合、コスト的に厳しい。
  • 目的を、留学モチベーションの維持、日本語力の劣化防止におけば、オンデマンドでも十分。
  • オンデマンドでは、思ったより低コストだった。

講座を提供した効果として、学校が学生に対して取り組む姿勢が伝わり、学生のモチベーション維持、日本語力の劣化防止に繋がったとされています。

また、講座を提供して良かった点と課題点として下記の点が挙げられました。

 

  • 問題集を送るより、しっかり自習させられて、その進捗状況も把握できている。
  • 入国制限が長期化してきて、コンテンツの使い回しができると思ったが、欲も出ていろいろ追加するし、改良しているため、次々と課題がでてきている。
  • 丁寧に取り組む学生もいる一方、ゲーム感覚でやっている子もいる。そういう性格の子をどう取り組ませるかは課題。
  • 元々利用しなかった待機学生のフォロー
  • あんまり無理強いも難しい。

キャンセル防止策の2つ目として、SNSに日本語学習コンテンツをアップしています。(上記画像参照)日本語力のアップといった効果は求めず、日本語を楽しんでもらおうという目的で始めました。

▼日本語学習コンテンツ動画(与野学院facebookページより)
https://bit.ly/3jgGspX

 

②東京中央日本語学院 中澤執行役員、馮先生「未入国学生へのオンライン授業展開」


東京中央日本語学院では、コロナウイルス感染拡大に伴い、2020年2月休校し全面オンライン授業に切り替えました。更に、未入国学生に対しては有料オンライン授業を提供しました。オンライン授業切り替えに関しての成果、課題は下記の点が挙げられました。

[オンライン授業の成果]

✔立ち上げ当初は大変だったが、「学びを止めない」をスローガンに頑張ってきた
✔在校生向けの授業満足度調査では対面・オンラインでほぼ差が出なかった
✔オンライン中心の授業ではあったが、進学実績は前年を上回る

[課題になったこと]
✔受講当初は安定していたが、入国制限が長引いたことで痺れを切らした学生が増加。
 10月以降には連鎖的な離脱が発生。

✔半数近くの学生が、昨年10月~1月の間に入国が出来ずに、2021年4月入国を目指してオンライン授業を継続することに。

これらの課題に対して、2021年のオンライン授業の新たな方針が決まりました。(上記画像参照)

 

 

前述で挙げられた方針を元に、実際のアクションプランはどうなのか?
下記の3つの軸を元に、対策方法が決まりました。

①受講中の学生のリテンション(離脱防止)
②新入生への受講働きかけ(4月生/7月生/10月生)
③未受講待機者への(継続的な)受講働きかけ

現在は、オンライン授業以外に様々な施策を取り入れています。(上記画像参照)
その中でも、今回は2つの施策について紹介いただきました。

★入学期ごとの進路ガイダンス
※学校が学生と最初にコミュニケーションを取る場として、非常に重要

①学生と保護者に正しい最新情報を共有(感染状況、入国制限、在留資格認定書期限)
②学校のサービス(オンライン授業)を紹介
   ・進学スケジュールを提示しながら、来日前の学習の重要性を説明
   ・進学の受験内容を詳しく分析し、日本語が受験に対する重要性を説明
   ・サービス提供の趣旨を説明(本来の留学計画に遅れが出ないように、影響を最小限に)
   ・学校サービスの質を説明(アンケートデータ、JLPT成績など数字や事実で説明)
③説明会後に口頭回答ではなく、アンケート形式で質問受付
   ・一部学生や保護者の感情的な考えを蔓延させないように
   ・学生や保護者が何に関心があるのかを把握
   ・質問回答の標準化(トークスクリプト完備)

★卒業生パネルディスカッション
※コロナ禍の中でも進学を実現した先輩から未入国の学生に経験を語る

・学生に一番人気のあるイベント
・留学のキャンセル防止にもつながる

■最後に


今回のウェビナーを通して、オンライン授業をやっていく中で起こった課題の解決方法や、それ以外での取り組みのアイデアを考えるヒントが見つかれば幸いでございます。

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■株式会社Lincについて

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。
(※参考 日本経済新聞掲載記事)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58522900X20C20A4XY0000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26848240T10C18A2XY0000/

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