不確実な未来に立ち向かう日本語学校改革とは 〜二世の学校経営者が持つ葛藤と、新たなチャレンジ〜 ウェビナーレポート

2月24日(木)Linc主催ウェビナー【不確実な未来に立ち向かう日本語学校改革とは〜二世の学校経営者が持つ葛藤と、新たなチャレンジ〜】を開催しました。

今回は、日頃お付き合いのある日本語学校の先生方、オフラインではLincのオフィスにて8名、オンラインでは47名、合計55名の方にご参加いただきました。

 


■今回ウェビナーテーマの背景と目的

<実施背景>
・日本語学校の現状
長期に渡る入国制限が続いている中、留学生を受け入れる日本語学校にとって勝ち抜き戦となり、進化を遂げている学校がある一方で、他校と競争できなくなり、閉校を余儀なくされる状況も出始めています。進学、就職、日本語スキルアップ、来日のニーズが多様化している中、日本語学校は将来的にどう応えていくべきかを悩んでいるとの学校様からの声が上がってきています。

<実施目的と期待>
・日本語学校の存在価値をみんなで考えていく
⇒学校を存続していくために、教育の原点に戻り、「学校は誰のために、何の価値を提供しているのか」を考えながら、留学生の将来のために今から準備しておくため

・学校がマクロ環境とミクロ環境における課題及び解決策を見出していく
⇒若い世代の経営者が先導に立ち、率先して直面している課題をチャレンジしていく必要があるため
ウェビナーを通じて正解を決めるのではなく、業界全体で課題意識を深めるため


これまでの取り組み事例紹介


①教務:教務業務の標準化で効率化(教科書・テスト・進路指導)

 

  • 使用教材の共通化

早稲田言語学院では、オリジナルの会話テキストや初級教材を独自開発しています。(上記スライド参照)

【成果】

・会話苦手意識払拭
・授業中の集中力維持
・中国の高校と提携して同教材を提供

【課題】

・付属教材の充実
・PJTと既存業務の交通整理

 

  • 校内クラス分けテストのフォーマット共通化
    ・フォーマット共通化⇨頻度向上
    ・進路指導のデータ一元化とナレッジ共有
    ・クラス分けテストのフォーマット共通化し下記の3点を実現
    1.採点・集計の自動化で試験頻度向上
    2.集計結果の見せ方を変更し、目標設定・復習箇所の個別化
    3.合格可能圏の学校の把握

 

②無料SaaS活用による業務のIT化

(1)無料googleアカウント:社員個人認証のアカウントとすして、SSOを実現

(2)Slack:承認フローの効率化

(3)Zapier:slackの履歴をgoogle共有ドライブにバックアップ

(4)Trello:証明書申請のオンライン化

(5)有料googleアカウント:低コストでファイルサーバーを共有ドライブ化

校内では現在IT化を進めてはいますが、今後DXが必要であると考えています。部分的なIT化だけでなくサービスを全部変えていく必要があります。

 

 

日本語学校の将来性〜目指す姿〜


日本語を教えるだけの「教師」ではなく、日本留学において全方面でサポートできる「コーチ」を育てています。目的意識や目標を明確化させ、学生に自信をつけさせることを目指しています。(上記スライド参照)


日本語学校の将来性〜二代目経営者から見た長期のリスク〜


コロナをきっかけに考える必要はなく、改革の方向性はコロナに立脚して考えるべきでないと考えています。業界の構造上2〜3年鎖国に対応するだけの財務基盤を常に確保、元々中国人留学生をメインのターゲットにしてきた早稲田言語学院としては、日中関係の悪化リスクや地震リスクに備える必要があります。

・長期でのリスク

→競合の経営プロ化への対処

→日本語学校パッシングへの対処

→VISA要件の変更への対処

・二代目経営者の目線

→親から受け継いだ企業を20年30年と長期に渡って存続させることが重要な使命になる

二代目で会社の生存率は30%という低さが目立ちます。原因として、事業変化に対応できない。事業理念が失われるなどがあげられます。しかし、根本は人材不足が原因だと考えています。また、家族経営ならではのリスク、例えば一族からの離脱や関係悪化など。対策として、家族の一体性強化とガバナンス強化のために親族を社外取締役の設置や。経営の数値目標の策定と、成果報酬型へと切り替えて、将来的に社外のプロ経営者の招聘も可能な体制に変えることを考えています。


意見交換会

発表後、オフライン、オンラインそれぞれグループ分けをし、下記3つのテーマに対し、日本語学校の課題について考える「意見交換会」を実施しました。

1.【理想の姿】日本語学校の理想像、存在価値とは?
・誰に対して
・どの価値
・どうやって
・いくら
で提供できるのか


<グループ内で上がった意見>※一部抜粋

  • 日本語学校カリキュラムの多様化
    ・日本語学校の差別化をしていくべき.そうすることで学校も選びやすくなる。
    ・進学目的だけでなく、ビジネス、生活目的で日本語を学びたいなど多様なコースの提供。
    ・日本語教育のハコを活用し、多様なニーズに対応できる。
  • 経営改革
    ・エージェントへの紹介料を抑えた経営
    ・事務効率化をはかるためのDX化。
  • 教育
    ・オンライン授業を主流にさせていくこと。ハイブリッド型が理想。
    ・進学目的で来られた学生に目標を果たさせる存在でありたい。


2.【現状の課題】あなたの学校で抱えている経営課題は何か?
【例】
・収益性(現在の留学生事業以外で新規事業を考えているか?収益率が低いことに対しての懸念感はあるか?)
・人材関連(スタッフ、教師の質)
・教務関連(コンテンツ、カリキュラム)
・それ以外

<グループ内で上がった意見>※一部抜粋

  • 人材に関する課題
    ・人材不足(経営、教育、イノベーションできる人材)
    ・IT専門知識を持った人材の確保
    ・教師のスキルアップ研修をやりたいが、研修できる人材の確保が難しい
  • 経営に関する課題
    ・現場と経営層のギャップがある。
    ・管理業務について。マニュアル化されていない ルール化されていない。
    ・来日が途絶えた時でもビジネスが成り立つ経営ができると良い。
    ・利益率が低い構造をどう変えるか?
    ・外国資本大手による買収で他業界より参画、脅威
    ・学校の数が多すぎること
  • ITに関する課題
    ・アナログの先生がITに適応できないこと。
    ・WEBマーケティングの強化
  • 教育に関する課題
    ・学校で学んだとしても。日本語スキルが未達、目標をしっかり決められていないことが課題
    ・現場の方に課題が上がっていない、現状に満足していること。
    ・従業員、学生も満足度が低い


3.【解決策】取るべき行動、問題解決法
経営者・現場両サイドより学校理想像を一緒に構築していくために、お互いが理解しあったうえで、どういうアクションを取るべきか

<グループ内で上がった意見>※一部抜粋
・理想とマッチしていないので、採用を妥協しないこと
・全員の課題意識、スピード感を大事にする
・現場→経営者に意見を言っていく
・経営者が改革する根拠を示して、校内全体で理解していくこと


※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
※また、まとめサイトへの引用を厳禁いたします。

 

 

■本件についてのお問い合わせ

①お問い合わせ先:https://www.linc-info.com/contact/

件名日本語学校改革」を記入の上、必要事項を入力してください。 追って当社よりご連絡差し上げます。

②電話でのお問い合わせ:03-6240-2155(株式会社Linc)まで直接お問い合わせください。 

ご不明な点等ございましたら遠慮なくお申し付けください。


■株式会社Lincについて

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。

(※参考 2021年、18の地方新聞紙面にて、Linc事業活動が掲載されました!
https://www.linc-info.com/news/211223/

 

会社概要等、詳しくはLinc公式ホームページをご確認ください。
https://www.linc-info.com/