現場と経営視点両方から見た、 次世代の日本語教師を育成する方法とは? ウェビナーレポート

8月24日(木)Linc主催ウェビナー【現場と経営視点両方から見た、次世代の日本語教師を育成する方法とは?】を開催いたしました。

今回は、日頃お付き合いのある日本語学校の先生方、オフライン:8名、オンライン:45名、合計53名の方にご参加いただき、

日本語教育業界に精通し、独自の指針で日本語教育業界に新しい風を吹かせていらっしゃるお二方にお話しをお聞きしました。

 

 

 

 

ー本ウェビナーの目的及び背景ー

 

6月より開催している本ウェビナーでは人材」の育成にフォーカスをし、現役学校経営陣による人材についての考え方や校内での取り組みについて、ご紹介いただきました。  

 

そこで今回は弊社とお付き合いのある日本語学校の先生方より寄せられる、下記に類した「教師育成」についての悩みや相談にフォーカスを定め、現場と経営、両方経験されている2名の先生方にご登壇いただき、ご意見をお話いただきました。

 

〈寄せられた「教師育成」についての悩みや相談〉

 

・校内での講師会はどのような形式/頻度で行っているか?

・教師育成面での問題点と克服方法は?

・育成計画や、到達度はどう計っているのか?

・教師に対してどの程度まで裁量で任せているのか?

・先生の指標は、どう決めているのか?(例:学生の日本語力、進学率、就職率)

・教師の評価基準がないため、他校ではどうしているか聞いてみた

 

 ー登壇者ー

新世界語学院校長 神

ミッドリーム日本語学校校長 山田貴彦氏

 

1.新世界語学院校長校長 神介氏

「日本語教師の現状と課題、理想の日本語教師像と育成方法とは」

~日本語教師を再定義する∼

①ーダイレクトマーケテングへむけたコンシャスネス操舵とはー

Q.もし私とあなた方がハンバーガー屋をやるとして私よりも売上を上げるために  どんな条件が欲しいか

A.腹をすかせた大衆

の構図を例にして、日本語教師(日本語学校)という事業が利益を上げるにはこれまでのように誰かが連れてきたお客にサービス提供するのではなく、潜在ユーザーへいかに主体的にアプローチをかけ、ユーザーを創造できるかが鍵となる、と神校長先生が述べておりました。

ーデジタル化が進む昨今、デジタル化する前の状態には戻ることができないことが命題である今、淘汰されず自己変革して生き残るためにはー

コロナ禍と照らし合わせて思い出していただくと、苦境に立ち向かうのではなく、耐える選択をする日本語教師が多かったのではとの観点から、いち日本語教師として「美しい日本語と共に美しい日本文化を教える=誇り」のみで生計を立てていけるのか不安を抱える人へ向け、神氏独自の「日本語教師」職業分析表をもとに、今後求められるネオ日本語教師像についてお話しいただきました。

 

 

・苦境に立ち向かえなかった原因は各個人の力量の問題ではなく、マインドセット(固定された考え方や物事の見方)や経費の問題。

・教育の質とは別の付加価値の創造

・学校にとってどれだけおいしい人物になれるかがキーである

 

 

コロナ禍中での各コンテンツの成功例を挙げ、「DXを知らず嫌いして倦厭する前に、一日本語教師のできる幅が広がった今の時代を利用し、行動に移してみてほしい。新入生80%を連れてくる日本語教師は絶対に代替物には数えられない、経営者視点から言うと給料を上げてでも手放したくない」と考えられております。

 

 

最後に、経営者目線と日本語教師目線の2つに分けてまとめていただきました。

 

 

 

2.ミッドリーム日本語学校校長 山田貴彦氏

 

~日本語教育機関における日本語教員の「人材育成」の在り方~

まずは、人材育成に関する以下4つの目標を達成するための働きかけについてお話ししていただきました。

①すべての教員が人材育成に関心を持つこと

②評価制度やCan-Doリストなどを公開する

③良い上司はモチベーションを高める

④挑戦を歓迎するムード作りをする

 

 

①すべての教員が人材育成に関心を持つこと

すべての教員が人材育成にかかわることによって、本当の意味での「良い学校」作りができる。

ex)上下関わらず良い観点を投げて、相手を成長させる

 

~学校全体での人材教育を推進していくためのポイント~

②評価制度やCan-Doリストなどを公開する

成長には目標が必要だという考えから、非常勤・専任関係なく評価項目を開示している。Can-Doリストでより、具体的な評価の可視化を図っている。

ex)○○ができたらコマ給○○円UPなど。

 

 

~職員の目標意識を応援する評価制度のポイント~

③良い上司はモチベーションを高める

「いいトレーニングができる上司=良い上司ではない」

職員一人一人が教えあい学びあっていかねばならないときに、マネージャーがやるべきことは教えることではなく、職員のモチベーションを高めること

これができる校長・主任の学校は自然に良い学校になっていく

 

 

~良い上司になるための気を付けるべきポイント~

④挑戦を歓迎するムード作りをする

「挑戦しない人は成長しない。守りに入らせないムード作りを。出ない釘は打ち付ける」

失敗した際は原因の追求ではなく、そこからどうするかを問いかける

 

 

~挑戦を歓迎するムード作りをするためのポイント~

現場と経営、両方経験されている、2名の先生からは日本語学校・日本語教師に求められるダイレクトマーケティングや、日本語教育機関における人材教育についてなどお話ししていただきました。当日のウェビナーの様子については、後日、Linc公式YouTubeチャンネルにアップされる予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。

 

 

-本件についてのお問い合わせ-

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ご不明な点等ございましたら遠慮なくお申し付けください。

 

■株式会社Lincについて

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。